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ヤライイシモチ属の精査

[ 記事No.20995 ]
3件のコメント
ヤライイシモチ属の精査
連投で恐縮なのですが、私が過去に釣ったヤライイシモチ属の(ヤライイシモチを除く)難しい3種の、それぞれ特徴がわかりやすく出ていると思われる個体を投稿しました。
下記におおまかな傾向をまとめました。私見も含みますのでその点ご留意いただきつつ、ご意見いただけましたら幸いです。

●リュウキュウヤライイシモチ
https://zukan.com/fish/leaf183282
https://zukan.com/fish/leaf183283
https://zukan.com/fish/leaf183284
https://zukan.com/fish/leaf183285
https://zukan.com/fish/leaf183286
明らかに赤褐色の傾向が強く、やや体高がありずんぐりして見える。尾柄部には一貫して黄色域はなく暗色横帯があり、若い個体では幼 魚期の大きな暗色斑の名残が見られる。尾鰭上下葉縁辺はもっとも外側まで隙間なく暗褐色に色づき(くっきりとした黒ではない)、その形状はスダレに比べると太い。第一背鰭は先端が暗色を呈する。

●スダレヤライイシモチ
https://zukan.com/fish/leaf183277
https://zukan.com/fish/leaf183278
https://zukan.com/fish/leaf183279
https://zukan.com/fish/leaf183280
https://zukan.com/fish/leaf183281
体側の地色が紫がかる傾向がある。尾柄部は幼魚期には(カスミ同様)小暗色斑とそれを囲む黄色域が見られ、成長とともに薄れて灰白色を呈する。私見ですがそれと時期を同じくして第一背鰭が先端から次第に灰白色を呈し、これはリュウキュウとの見分けにおいて大きなポイントになると思います。尾鰭上下葉縁辺には(リュウキュウよりも濃くくっきりと黒い)暗色域があり、(これも私見ですが)その形状は付け根の方が太く先端が細いため鋭い印象を与える。暗色域の外側にごく細く明色域があるのはカスミと共通し、リュウキュウとは異なる点だと思われます。

●カスミヤライイシモチ
https://zukan.com/fish/leaf183287
https://zukan.com/fish/leaf183288
https://zukan.com/fish/leaf183289
体側の縦線が橙色を呈するが、その点はリュウキュウにも似た個体がいる。尾柄部は幼魚期には(スダレ同様)小暗色斑とそれを囲む黄色域が見られ、成長とともにそれらが塗りつぶされるように暗色横帯が現れる。尾鰭上下葉縁辺には(リュウキュウよりも濃くくっきりと黒い)暗色域があるが、(以下私見)その形状は付け根の方が細く(あるいは薄く)先端が太い(濃い)ためスダレに見られる鋭い印象はない。暗色域の外側にごく細く明色域があるのはスダレと共通し、リュウキュウとは異なる点だと思われます。
補足ですが、リュウキュウ・スダレとカスミとを分ける「前鰓蓋骨縁が鋸歯状か平滑か」は、おそらく写真からは(かなりの寄りの写真であっても)ほぼ判別不可能だと思います。今回、体色からスダレと判断し鋸歯状であることが分かっている状態でしつこく触ってみてようやく「この程度の微妙なものか」と思いました。過去に「とりあえず触ってみる」レベルで平滑だと思っていたものは今回見直しました↓
https://zukan.com/fish/leaf183041
https://zukan.com/fish/leaf128332
ありがとうございます。
これをやって頂いて本当に助かります。
この3種は教科書通りにはいかない厄介なグループで、誤同定ではないかと言うものも多々ありますので。内容は、論文と言ってもいい位かと。
西野さま
そのようにおっしゃっていただいて恐縮です。ありがとうございます。
専門に研究しておられる方もいらっしゃると思うので僭越ではあるのですが。。
ますますこのサイトに情報が集まって共有されるといいなと思います!
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