形態・特徴 | ムツ科魚類は背鰭が2基で、よく離れている、臀鰭棘が3本などの特徴をもつ。体色は成魚が金紫褐色で、幼魚は鮮やかな金色である。尾鰭の縁辺は黒っぽい。クロムツは本種に良く似ているが、本種の側線有孔鱗数は57以下で、59以上のクロムツと区別できる。またクロムツの体色は黒褐色である。体長60cmを超える大型種。 |
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分布 | 北海道以南~鳥島。 |
生息環境 | 幼魚のうちは沿岸のごく浅い藻場によく見られるが、成魚は200~700mの深海にすむようになる。 |
食性 | 肉食性で魚類、イカ類、エビ類などを主に捕食するとされているが、胃が反転しているものや、胃が空のものも多く、食性の調査が十分されているといえない。幼魚はアオイソメなどを餌に使った投げ釣りでも釣れるようである。 |
地方名 | ロク・ロクノイオ(宮城県仙台市)、クロムツ(福島県、長崎県長崎市)、オンシラズ(神奈川県)、カラス(富山湾)、ギンムツ(静岡県伊豆)、ノドグロ(山口県下関市)、ムツゴロウ・メブト(長崎県対馬市)、クルマチ(沖縄県本島)、クルマツ(沖縄県宮古島市)、ハーマチ(沖縄県八重山) 【出世名として】トオダイ→ハラブト・アカ(静岡県伊豆富戸)、コムツ→ムツ(静岡県伊豆白浜) |
その他 | 産卵期は東シナ海では12-翌年3月ごろと推測されている。成熟には3年かかるとされる。
幼魚は沿岸での釣りや定置網、刺網などで漁獲される。成魚は沖合での深海釣りの対象魚、職漁では底曳網などで漁獲されている。 肉質は白身で味はかなり良い。旬は冬とされている。鍋物、塩焼き、フライ、刺身など様々な料理に使うことができ、卵巣も食用にされる。 ムツ科の魚は日本では本種とクロムツの2種のみからなるが、アカムツ、バラムツなど標準和名に「ムツ」を冠するもの、「シロムツ」などのように別名や、通称などに「ムツ」を名乗るものがいるので注意されたい。 |
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