概要 | これぞ魚の代表というくらいに、日本では親しまれている魚。見た目も誰もが想像する魚と何かしらは一致するのではないだろうか。銀白色で、どちらかというとスリムな体形をしている魚で、頭でっかちに見える。
日本では本土に分布しており、その中でも有明海のスズキは遺伝的に地域固有性が高いことで知られる。海だけでなく、川の中にも積極的に入り、淡水域でも見られる。 釣りでスズキを狙う方法は大きく分けると2通りで、エサで狙うか、ルアー(疑似餌)で狙うかに分かれる。針にかかると水面に頭を出して激しく振る、いわゆる「エラ洗い」と呼ばれる特有の行動をとることからも、スリリングな釣りが楽しめるので、多くのファンがいる魚。 白身魚で、味は淡泊。そのためどんな調理法でも美味しい魚。水がきれいな海域のスズキは刺身も美味しい。 |
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形態・特徴 | 日本にスズキ科魚類は3種生息しており、本種のほかにヒラスズキと外来種のタイリクスズキが知られている。互いによく似ており、その同定は難しい。本種の特徴は、尾柄部が細くて長く、吻も長い。また、背鰭軟条は12~14本である。また、幼魚には黒色斑が出現することがあるため、その外観がタイリクスズキと酷似することもあるが、タイリクスズキの黒色斑は側線よりも下に出現し大きいのに対し、本種の黒色斑は大抵の場合側線よりも上にしか出現せず、また鱗ほどの大きさで小さいことなどで区別できる。 |
分布 | 琉球列島を除く日本各地沿岸。~朝鮮半島。 |
生息環境 | 河川下流域から岩礁域を中心とした沿岸域までの幅広い水域で見られる。産卵期は冬である。 |
食性 | 多毛類、甲殻類、軟体動物、魚類などを食べる動物食性。 |
地方名 | 全国的にスズキで通じるが、特有の呼び方も各地に残っている。また、近年、釣りの対象魚として広く知られるようになったヒラスズキとの対照として、主に釣り人の間でマル、マルスズキなどという呼び方をすることもある。
【出世魚として】青森県:スナバ→セイゴ・セコバ→スズキ 宮城県:セッパ→セイゴ→チュウセイ→スズキ 東京都:セイゴ→フッコ→スズキ 神奈川県湘南:ワカシ→セイゴ→フッコ→ワラサ→スズキ 石川県金沢市:ハネ→セイゴ→スズキ 静岡県伊豆:セイゴ→スズキ 静岡県伊豆網代:セエゴ→スズキ 愛知県名古屋:セイゴ→マダカ→スズキ 和歌山県:セイゴ→ハネ→ススキ・スズキ 京都府丹後:セイゴ→ススキ 大阪府:セイゴ→ハネ→スズキ 兵庫県南東部:セイゴ→フッコ→ハネ→スズキ 兵庫県神戸市:セイゴ→ハネ→スズキ 兵庫家明石市:セイゴ→スズキ 島根県松江市:チュウハン→オオハン 高知県:セイゴ→スズキ 福岡県:セイゴ→スズキ 福岡県北九州市:セイゴ→フッコ→スズキ 熊本県水俣市:セイゴ→ススキ ほかに、ススキ(京都府丹後、佐賀県有明海)、ハクラ・ハネ(佐賀県有明海)、ハクラゴ(小型、長崎県対馬市)、ハクラ(小型、長崎県諫早湾)、スッノイオ(鹿児島県鹿児島市)、ハネ(大型、京都府丹後)など。 参考:https://gyomei.zukan.com/?p=1577393437 |
その他 | 美味しい魚で刺身や寿司、塩焼きのような和風の調理方法以外にも、ムニエルやカルパッチョといった洋風の調理方法で賞味される。
また、有明海産のスズキは、タイリクスズキとの交雑種のような形態を示し、有明海の特異的な生い立ちの歴史を垣間見れる生物地理学的な材料のひとつとして注目される。 |
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