チダイ

Evynnis tumifrons (Temminck and Schlegel, 1843)

形態・特徴 尾鰭の後縁は黒くなく、鰓膜は鮮血色。背鰭第3・4棘が糸状に伸長することが特徴。よく似たヒレコダイは体側に青い縦帯が走るのに対して、本種は青い斑点が散らばることで容易に判別が可能。
分布 琉球列島をのぞく北海道南部以南、東シナ海。朝鮮半島南部。沿岸浅所~深所の岩礁域にすむ。
生息環境 幼魚は沿岸域の砂泥底や粗砂底に生息し、水深が5m以浅のごく浅い水域へも進出してくることがある。成魚はやや深い岩礁域やその周りの砂底、砂泥底などに生息する。
食性 甲殻類、多毛類、軟体動物などを食べる。
標準和名 大阪湾・和歌山県・高知県での呼び名が由来となっている。『さかな異名抄』
地方名 コダイ(青森県、宮城県、山形県、茨城県日立市、新潟県、富山県、三重県、京都府丹後、高知県、長崎県壱峻島)、ハナダイ(青森県、山形県、福島県、関東地方、静岡県、石川県能登町、愛知県、山口県)、タイ(青森県、福島県、茨城県、石川県七尾市、静岡県伊豆)、アカダイ(宮城県)、コデ・コデコ・ザグ(山形県)、コタイ(福島県いわき市)、カスゴ(福島県、茨城県日立市・大洗町)、ハナテ(茨城県北茨城市)、デコ(茨城県日立市・大洗町)、ハナコダイ・ベン(茨城県日立市)、レンコダイ(新潟県、石川県珠洲市、三重県)、サコダイ(石川県)、スマダイ(石川県金沢市)、ヒラメダイ(石川県輪島市)、サコ(石川県珠洲市)、サルマ・サルマダイ(石川県七尾市)、チデェ・チコデェ・キダイ・ホシダイ・ハナマガリ(静岡県伊豆)、チコ(三重県、京都府丹後、島根県西部、福岡県博多、長崎県、熊本県)、ゲンゴ・シロコダイ・ヘイハチ・マコダイ(京都府丹後)、ベニダイ(和歌山県)、チコダイ(広島県、島根県、山口県、長崎県壱岐島・雲仙市、鹿児島県)、ヒダイ(九州)、チデ(鹿児島県枕崎市)、【老成魚】ハナダイ・ハナッコ・オオッパナ(東京都)、ハナアカ(石川県能登)、ハナオレ(三重県、長崎県)、トッキン(山口県東部、※語源は兜巾か)、ハナオレダイ(熊本県) 【幼魚】ベンカスゴ(千葉県南部)、カスゴ(和歌山県)、チコ(山口県)、シバコダイ・タイジャコ・チボロ(高知県) 【出世名として】ハナダイ→チダイ(静岡県伊豆妻良)
参考:https://gyomei.zukan.com/?p=1577393411
その他 見た目も食味もマダイとほとんど変わらないため、最近はJAS法などが改正されてうるさくなったが、かつてはマダイと称して鮮魚店などで売られていることは珍しくなかった。
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