形態・特徴 | 体側の青緑色を呈する背側に虫食い状の斑紋があることが特徴的。よく似たゴマサバとは、体側下部に小さな黒色斑が散在してないこと、尾鰭は明瞭に黄色いこと、第1背鰭棘が9~10本(ゴマサバは11~12本)であることなどで区別することができる。 |
---|---|
分布 | 日本列島近海。~世界の亜熱帯・温帯海域。 |
生息環境 | 沿岸域の主に表層を群泳する。 |
食性 | 動物プランクトンや小型魚類、甲殻類、軟体動物などを捕食する動物食性。 |
食味・料理 | 姿寿司(兵庫県播州)、ゴマサバ(胡麻だれと生サバの和え物、福岡県)、糠炊き(福岡県北九州市) |
地方名 | サバ(青森県、宮城県、山形県、福島県、茨城県北茨城市・ひたちなか市、石川県、静岡県伊豆、京都府丹後)、アオサバ(青森県、静岡県伊豆)、ホンサバ・ツチサバ・メリサバ・ノメリ(青森県)、ツツチサバ(大型、青森県)、コサバ・ピンサバ・ジャミサバ・ノメリサバ・サバミサバ・マメサバ・ヒラサバ(小型、青森県)、チチサバ・ツツサバ(大型、青森県南部地方)、ムギサバ・ムギサバコ(宮城県)、ノドサバ(宮城県仙台市)、アオ(山形県鶴岡市、茨城県日立市)、タラサバ(大型、山形県酒田市)、アオモノ・ヒラサバ・ホシサバ・ピンサバ(茨城県日立市)、ピン(石川県能登町)、ヒラ(静岡県伊豆)、トノサバ(山口県周防)、ギリ(長崎県長崎市) |
その他 | 「関サバ」や「松輪サバ」、「首折れサバ」など各地でブランド化されているほどの水産上重要種。「サバの生き腐れ」という言葉で知られるように、足が速い(腐りやすい)魚としても有名である。そのため、生食はあまりせず、酢でしめた「しめ鯖」にして食べたり、竜田揚げや味噌煮など熱を通して食べるのが一般的である。しかし、屋久島産の「首折れサバ」のように、鮮度を保持して刺身で食べるような地域も一部存在する。血合い筋にはヒスタミンが多く含まれるため、アレルギー症状には注意する必要があるほか、アニサキス線虫が寄生していることもあるため生食の危険性を指摘されることもある。
日本はサバ類の需要が高く、国内のマサバとゴマサバでまかなえきれていない現状にある。この消費を支えているのは、北大西洋や地中海、黒海に分布するタイセイヨウサバ(ノルウェーサバとも呼ばれる)<I>Scomber scombrus</I>であり、かなりの量が輸入されている。安価なサバの加工品は、大抵がこのタイセイヨウサバであると言っても過言ではない。タイセイヨウサバは日本のマサバやゴマサバと比較すると、体側背側の斑紋が虫食い状ではなく、「く」の字をした明瞭な横帯であることで容易に区別できる。 |
食味レビュー |
食味レビューを見る 食味レビューを投稿する |