タイリクスズキ

Lateolabrax maculatus (McClelland, 1844)

外来種 はい

形態・特徴 日本にスズキ科魚類は3種生息しており、本種のほかにスズキとヒラスズキが知られている。本種は元来日本には生息していない外来種であることに注意したい。この3種は互いによく似ており、その同定は難しい。本種の特徴は、尾柄部が細くて長く、吻は短い。また、背鰭軟条は12~15本である。黒色斑が出現し、特に若魚までの成長段階ではこの斑紋が大きく、側線よりも下にも出現することが特徴的であるが、稀に黒色斑のない個体もいる。
分布 渤海、黄海。東シナ海と南シナ海の中国大陸沿岸部。朝鮮半島西岸。日本には分布しない外来魚で、スズキの養殖種苗として、日本に大量に持ち込まれ、それが逃げだしている。日本で再生産しているかどうか、いまのところは不明である。
生息環境 岩礁を中心とした沿岸の浅海域および、河川河口域から下流域までに生息する。大陸由来ということもあってか、スズキよりも淡水の影響が強い場所を好む傾向があるようである。
食性 多毛類、甲殻類、軟体動物、魚類などを食べる動物食性。
その他 1990年から中国産の種苗が養殖されるようになり、それが生簀から逃げ出したものが各地で野生化していると考えられている。特に生態的地位(ニッチェ)の近いスズキとの競争が懸念されており、この理由から「特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律」で要注意外来生物に指定されている。また、両種の雑種は今のところ発見されておらず、交雑が生じている可能性は低いという意見もあるが、人工的には容易に雑種が形成されるため、遺伝的多様性保全の面からも、天然水域における本種や本種と在来種との雑種形成に関する動向に注視・モニタリングしていく必要があるといえる。
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