ヤマトイワナ

Salvelinus leucomaenis japonicus Oshima, 1961

形態・特徴 エゾイワナ(アメマス)、ニッコウイワナ、ゴギと亜種関係にあるのが本種。
体側に赤や黄色の斑点があり、白斑が散在しないことなどが特徴。
分布 神奈川県相模川以西の本州太平洋岸、琵琶湖流入河川、紀伊半島。最高水温が15℃以下の河川の上流域にすむ。
生息環境 夏場でも水温が15℃を上回らない水域に見られる。産卵期は10~11月とされる。サクラマス・ヤマメやサツキマス・アマゴよりも上流に生息し、棲み分けをしていることが知られている。
食性 小型魚類や甲殻類、昆虫などを食べる動物食性。
その他 多くの山間部では、かつては貴重なタンパク源として重宝されていた。今でも山間部ではイワナ類は欠かせない郷土料理のひとつであり、塩焼きや燻製で賞味されるほか、焼いたイワナを焼酎に漬けて嗜好する風習も存在する。本種を対象にした自然が溢れる源流域における釣りの人気も高い。
しかし、水産重要種であるが故に、無秩序な放流がなされる場合もあり、遺伝子汚染が生じている地域もある。また、ゴルフ場やダムの建設などの開発により、生息域が奪われる例も多く見られ、本種を取り巻く環境は良好とはいえない状況にある。
紀伊半島に飛び地的に分布する個体群は俗にキリクチと呼ばれ親しまれているが、環境省のまとめたレッドデータブックでは「絶滅の恐れのある地域個体群(LP)」に指定されており、保全の対策が急務とされる状況になっている。
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