形態・特徴 | 下顎は突出し、体高は高い。主鰓蓋骨に棘が1本あり、腹鰭の基部には鱗状の突起が見られる。側線は尾鰭の後端付近まで続くことは大きな特徴である。その名の通り眼は赤く見え、体側は一様に燻された金属のような色合いをしている。但し、稚魚から若魚の成長段階にかけては眼を通る斜走帯が見られたり、体側にも横帯が出現し、枯れた海草のような色合いを呈する。
よく似たバラマンディ<I>Lates calcalifer</I>と1984年まで同種と考えられていたが、バラマンディの眼は赤くないことや、臀鰭の最長棘が本種では第2棘であるのに対してバラマンディは第3棘であるなどの違いから別種に分けられ、日本固有種と認識されるようになった。最大で全長2mを越すといわれるが、近年ではそのような大型個体の記録は途絶えている。 鱗はバラマンディより小さく、ナイルアカメより大きい。 |
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分布 | 静岡県浜名湖から鹿児島県志布志湾にいたる本州太平洋岸、大阪湾、種子島。日本固有種。 |
生息環境 | 稚魚は汽水域のアマモ場で逆立ちの状態で枯葉に擬態しているような生態が観察されていることが知られ、稚魚や若魚の生息にアマモ場は不可欠だと認識されている。成魚は沿岸域から河川下流域まで広く見られる。産卵期は稚魚の出現時期から6~8月の夏季だと推測されているが、産卵生態や初期生活史には未だ不明な点が多い。 |
食性 | 動物食性で、魚類や甲殻類、多毛類などを捕食する。 |
その他 | 大きな生息地は高知県・宮崎県の二ヶ所のみで、そのうちの宮崎県の大きな生息地が干拓の影響を受けて壊滅的な状況にあり、絶滅の恐れが高くなってきている種の一つである。2007年の環境省のレッドリストでは絶滅危惧IB類に指定されているほか、宮崎県では絶滅危惧II類に指定しているだけでなく指定希少野生動植物に指定して採捕等を規制している。また、高知県では絶滅危惧IA類に指定しており、さらに宮崎県と同様に採捕等を規制するため希少野生動植物保護条例に指定しようとしたが、アカメを利用する立場にある釣り人を中心とした人々の反発に合い、その指定は見送られた。
宮崎県や高知県、鹿児島県種子島を中心とした地域では古くからアカメの食の文化や漁業の文化が伝承されているが、アカメの減少や農漁村の高齢化などに伴い廃れつつある。 |
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