アンコウ

Lophiomus setigerus (Vahl, 1797)

形態・特徴 体色は灰色っぽい。背鰭第1棘は誘引突起に変形している。口腔内は暗色で、大きな淡色円斑が散在している。成魚では不明瞭になることもある。この特徴の他、上顎の外列歯が26本あり上顎前端から後端までほぼ連続して並ぶこと、上膊棘とよばれる、肩部の皮下に埋もれた棘は先端が2-3棘に枝分かれしていることなどによって近縁種のキアンコウと区別できる。体長70㎝に達する大型種である。
分布 北海道以南、東シナ海。フィリピン、アフリカ。水深30~500mにすむ。
生息環境 沿岸の浅海から水深500mまでの深さに生息する普通種。砂底にすむ。
食性 カナガシラ類、アマダイ類、ハゼ類、ヒメジ、ヤリヒゲなどの底生魚類を捕食する。他、甲殻類やイカなども捕食するようだ。
食味・料理 アンコウのトモ和え(青森県)
地方名 全国的にアンコウで通じる。地方名として、アンコ(青森県)、ピーマン・ピーマンアンコウ(福島県いわき市)、チョウチンアンコウ(石川県能登町)、アンゴウ(和歌山県)、アファー(沖縄県)。
キアンコウとの区別として、アンコウ=水アンゴウ、キアンコウ=土アンゴウ(和歌山県)、アンコウ=本アンコウ、キアンコウ=鬼アンコウ(島根県)、アンコウ=本アンコウ、キアンコウ=石アンコウ(山口県下関市)。
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その他 各種底曳網、刺網、たまに定置網などで漁獲される普通種で、重要な漁業対象魚の一つである。本種は鍋やから揚げなどで賞味され、肝臓や皮、胃なども利用される。美味であるが味は近縁のキアンコウのほうがよいともいわれる。市場では本種をクツアンコウ、キアンコウをホンアンコウと呼び区別している。
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