形態・特徴 | 背鰭は2基。背鰭と臀鰭の基底は長く、背鰭には明瞭な黒点列が見られる。側線上方鱗数は7~9枚。体背面は他のキス科魚類と比べてやや青みを帯びている、腹面は白色で腹鰭が黄色く目立つ。 |
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分布 | 東京湾、伊勢湾、紀伊半島、徳島、九州などの南日本の太平洋側や瀬戸内海などで、大きな川が入り、干潟になっているところには生息していたと思われる。現在、ほとんどのところで報告が途絶えており、福岡県や大分県の瀬戸内海にしかいないようだ。台湾にもいるとされるが、きちんと研究されておらず、モトギスの誤同定による報告という見解が有力のようであり、日本固有種であると思われる。 |
生息環境 | 干潟域に生息し、その内湾の砂底から泥底の、海底から20cmくらいまで上方のところを遊泳する。河口域へも進入することがある。 |
食性 | 主に多毛類や甲殻類などを食べる動物食性。 |
その他 | 干潟のシンボルのような魚で、埋め立てが進んだ東京湾では数十年記録が途絶えている種として有名である。昔の東京湾の干潟域では脚立を干潟に立てて本種を対象とした釣りをする光景が風物詩となっていたが、その文化は失われてしまった。宮崎県や鹿児島県からの報告も最近はないようで、九州北部の一部に残るのみの絶滅が危惧される種である。
この脚立釣りが発達した背景には、アオギスはシロギスなどと比較して音に敏感で、警戒心が高いことが挙げられる。釣りの対象として人気が高かった背景には水産的な需要の高さも伺えるが、現在での水産利用はごく一部に限られる。 |
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