イットウダイ科

Holocentridae

科の概要 8属からなり、アカマツカサ亜科とイットウダイ亜科の2亜科に分けることができる。アカマツカサ亜科の魚種は前鰓蓋に長大な棘がないこと(ヤスリエビスを除く)、臀鰭軟条数が10本以上であることなどが特徴である。イットウダイ亜科の魚種は前鰓蓋骨の隅角部に長大な棘があり、臀鰭軟条数は7~10であることが特徴。両亜科とも背鰭棘条数は11~13で棘条部基底が長い。
世界で8属約80種が知られ、日本には6属40種が分布する。日本に生息しないヤスリエビス属と、ノボリエビス属の魚種は何れも大西洋に分布する。
多くの種類が浅海の岩礁域やサンゴ礁にすみ、夜活発に活動するものが多い。エビスダイ属のものはやや深海にすむ。
日本では主にエビスダイ属の魚類が釣りや底曳網などで漁獲され食用魚として重要であるが、それ以外のアカマツカサ属、イットウダイ属のものは定置網、刺し網で漁獲されるものの、あまり市場には出されない。しかしながら美味なものが多い。一部の種類は観賞魚店や水族館などでも見ることができる。
同定のポイント イットウダイ科魚類のうち、アカマツカサ属のものは同定がかなり難しいことがある。胸鰭腋部の写真と、下顎の先端をうつした写真も同定には必要なので撮っておくべきであろう。