形態・特徴 | 口は丸い吸盤状で顎がない。原始的な魚類とされることもあるが、研究者によっては魚類の仲間とみなさない人も多くいる。ヤツメウナギ目はその名前の通り、成体の眼が片側の側面に8個並ぶように見えることから付けられているが、実際には他の魚類と同じように眼は片側に1個ずつしかなく残りは鰓孔となっている。胸鰭と腹鰭はなく、背鰭から尾鰭、臀鰭が繋がっている。また、ヤツメウナギ目の幼生はアンモシーテス幼生と呼ばれ、眼が皮下に埋没し、口の吸盤もない。
本種は、尾鰭が淡色であることや筋節数が57~65であること、上口歯板上の歯は2本で鋭いことで他種と区別されてきた。しかし、近年の研究で本種には形態が極めて酷似した,今のところ見分けがつかない2種が包含されることが遺伝的な研究より明らかになり(スナヤツメ北方種とスナヤツメ南方種と呼び分けされている)、そのうちの一方(スナヤツメ南方種)に関してはスナヤツメ北方種とカワヤツメ・シベリアヤツメと比較した場合よりも遺伝的に離れていることがわかっている。 この仲間としては小型種で、成魚の全長は15~20cm。最大でも25cm程度。 |
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分布 | 鹿児島県、宮崎県をのぞく九州以北。沿海州、中国北部、朝鮮半島。川の中・下流にすむ。 |
生息環境 | 北方種、南方種ともに一生を純淡水域で過ごす陸封型。主に河川中流域の流れの緩やかな場所に生息する。
産卵は上流側で行い、幼生が下流側で育って変態すると上流へ溯上するという生活史を送ることが知られている。北方種、南方種ともに産卵期はどちらも春期辺りと重なっているが、産卵床の形成過程において行動的な生殖隔離が働いていると考えられている。 |
食性 | ヤツメウナギの仲間は特に成魚において、大型魚類に外部寄生・吸血して成長することが知られているが、本種は幼生期にはデトリタスや藻類を食べ、成体になると摂餌せず溯上・産卵行動に励むことが知られる。ちなみに、成体は産卵を終えると必ず死ぬ。 |
地方名 | ウマノソンベ・ションベンヤズメ・ガガヤズメ・ガガンベ・カゲヤズメ(青森県津軽)、マノショーベン・ンマノションベ・ンマノソンベ(青森県南部地方) |
その他 | スナヤツメはかつて1種として扱われ、アムール川水系をタイプ産地とするLethenteron reissneriと同種であると考えられてきた。しかし、その後の研究で日本産の個体はL. reissneriとは遺伝的に異なることが明らかになり、さらに日本列島の中でも遺伝的に明瞭に区別される2型が含まれていることがわかった(現在のスナヤツメ北方種・スナヤツメ南方種)。
2023年現在どちらも学名は確定していないが、 |
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