形態・特徴 | 頬および眼窩の下縁に棘はなく、涙骨は顕著な2棘がある。主上顎骨には鱗がある。アカメバル・クロメバル・シロメバルの3種は、20世紀の初めから100年にわたって何種にも分けられたり、1種として扱われたりと、研究者の間でも混乱があった。2009年に発表された論文によって、それまでメバルとして扱われていたものが、3種に分けられることになった。
クロメバルは、その名の通り黒っぽい個体が多く、背側は緑色っぽい色をしているのが特徴的。アカメバルやシロメバルとは、胸鰭軟条数が15~17本(普通は16本)で、臀鰭軟条数は7~8本であること、側線有孔鱗数は43~49枚(普通は45~46枚)であること、体側の横帯は不明瞭な傾向にあること、体側背面の背鰭基底付近に見られる白斑が明瞭な傾向にあることなどを総合的に見て区別するのが良さそうである。 |
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分布 | 岩手県・石川県~九州。朝鮮半島南部。岩礁域に生息し、底から少し浮いていることが多い。 |
生息環境・生態 | 外洋に面した沿岸域の岩礁帯の藻場に生息する。カサゴやムラソイのように底に着いておらず、海藻や岩礁付近の中層をホバリングしていることが多い。また、アカメバルやシロメバルと異なり、小規模な群れを作らず、単独で行動していることが多いようである。胎生魚であり、冬に交尾を行い産卵する。 |
食性 | 甲殻類、軟体動物、多毛類、小型魚類などを捕食する動物食性。 |
地方名 | メバチ(青森県津軽、京都府丹後)、クロゾイ・メハチ・アオドコ(青森県津軽)、クロソイ(青森県南部地方)、チャネバチ・ネバチ・マンバチ・モイオ(京都府丹後)、メバル(岡山県)、アオジ(山口県瀬戸内海側、愛媛県松山市)、アオジメバル(愛媛県松山市)、アオメバル(福岡県) |
その他 | アカメバルやシロメバルと同様に、春告魚といわれることも多く、旬は春とされる水産上重要種。遊漁での人気も高い。 |
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