コガネチワラスボ

形態・特徴	体長15cm程の小型種。体色は黄褐色。頬から鰓蓋までの頭部と体側には個体差があるが金属光沢があり、黄金色に輝く。発色の良い個体では尾部を除いた体全体が黄金色に見える。 眼が退化しワラスボに似るが、下顎にひげがある。ひげは下顎にのみあり、ヒゲワラスボと区別可能。一緒に「チワラスボ」とされてきた他の3種とは、下顎腹面にある3対のひげが上から2－3－2の計7本で構成されていること(若干の変異あり)、背鰭鰭条数が50－56であること、体側に金色の反射帯をもつことなどで識別できる。
分布	精査が必要。少なくとも国内では千葉県以南の太平洋沿岸、鹿児島県本土の東シナ海沿岸、鹿児島湾、種子島、沖縄島、西表島、国外ではベンガル湾、トンキン湾、台湾に分布することが分かっている。
生息環境	河川下流域から河口域の軟泥底および泥混じりの砂地に生息。塩分の高い環境は好まない可能性がある。普段は堆積した砂泥や泥に穴を掘って潜っている。
食性	肉食性で底生動物を捕食すると思われる。
その他	本種は以前チワラスボC種(Taenioides sp. C)として扱われていた種で、2021年、標本に基づき標準和名が提唱された。従来、日本で「チワラスボ」と呼ばれていたものには4種類が認められており、2021年にコガネチワラスボ(かつてのC種)、2022年にアカナチワラスボ(かつてのA種)、ティーダチワラスボ(かつてのD種)がそれぞれ日本初記録種として記載され、めでたく標準和名が提唱された。これらは写真からの同定は難しいので標本を残しておくべきであろう。