アカメバル

Sebastes inermis Cuvier, 1829

形態・特徴 頬および眼窩の下縁に棘はなく、涙骨は顕著な2棘がある。主上顎骨には鱗がある。アカメバル・クロメバル・シロメバルの3種は、20世紀の初めから100年にわたって何種にも分けられたり、1種として扱われたりと、研究者の間でも混乱があった。2009年に発表された論文によって、それまでメバルとして扱われていたものが、3種に分けられることになった。
アカメバルは、その名の通り赤味がかっている個体が多く、中には金色味が強い個体もいる。クロメバルやシロメバルとは、胸鰭軟条数が14~16本(普通は15本)で、臀鰭軟条数は7~8本であること、側線有孔鱗数は36~44枚であること、腹鰭は短く黄色い傾向があること、体側に見られる横帯は不明瞭な傾向があることなどを総合的に見て区別するのが良さそうである。
分布 北海道南部~九州。朝鮮半島南部。
生息環境・生態 沿岸域の岩礁帯の藻場に生息する。カサゴやムラソイのように底に着いておらず、海藻や岩礁付近の中層をホバリングしていることが多い。また、シロメバルと同様に小規模な群れを作ることも多い。胎生魚であり、冬に交尾を行い産卵する。
食性 甲殻類、軟体動物、多毛類、小型魚類などを捕食する動物食性。
地方名 アカゾイ・アブラガヤ・テンカラ(青森県)、チャネバチ・ネバチ・マンバチ・メバチ・モイオ(京都府丹後)、ヒアカ(岡山県)、キンメバル(長崎県雲仙市)、メバル(熊本県水俣市)
その他 クロメバルやシロメバルと同様に、春告魚といわれることも多く、旬は春とされる水産上重要種。遊漁での人気も高い。
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