形態・特徴 | 吻は丸みを帯びる。体色は黄緑色を帯びた銀色。背鰭第5棘基底と側線間の横列鱗数が3.5と、少ない事でナンヨウチヌに似るが、頬鱗列数が3–4であること、(ナンヨウチヌでは6–7)、臀鰭第2棘が鈍く尖ること(鋭く尖る)、臀鰭軟条が明るい灰色であること(一様に黒色)などで区別できる。 |
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分布 | 鹿児島県薩摩半島西部、沖縄島。~台湾南西部。 |
生息環境 | 河川や内湾を好むと考えられる。特に汽水域での漁獲が多い。 |
その他 | 本種は鹿児島県から得られた標本を基に2017年、国内初記録種として記載され、標準和名が提唱された。これまで、国内での記録は主要な生息地である台湾から黒潮によって成魚が偶発的に流されてきたものと考えられていたが、最近になって沖縄島の都市河川で未成魚も含めた複数の個体が釣獲されていることが分かった。このことから、生活史の初期段階で黒潮によって輸送され、黒潮下流域に定着していると考えられる。
標準和名は本種を新種記載し、タイ科魚類の分類学的研究にも大きく貢献されている岩槻幸雄博士に因む。 |