Sphyraena arabiansis Abdussamad and Retheesh, 2015
形態・特徴 |
本種はオニカマスに似るが、側線有孔鱗数が113–122(オニカマスは76–82)、総側線鱗数が118–126(84–92)、上顎後端が眼の前縁に達しない(眼の前縁を越える;ただし体長279 mm以上の個体において)、鰓蓋後縁の鰓膜下半部が白色を呈する(黒色を呈する)、体側の暗色横帯は側線より下方に達し、腹部に届かない(側線より上方にとどまる)、体側に黒色斑がない(黒色斑が散在する)、および尾鰭後縁中央の突出が大きい(突出が小さい)ことなどにより識別できる。体長は1mを超える。 |
分布 |
相模湾、和歌山県白浜町、宮崎県日南市と門川湾、および鹿児島県南さつま市と内之浦湾。国外では、アラビア海南東部のラクシャディープ諸島、ニューカレドニアから記録されている。 |
その他 |
森下ほか(2020:魚類学雑誌)により日本水域からの記録が報告され、標準和名が付けられた。名前のヤシャは本種の強面な風貌が、タイプ産地であるインドの古代神話に登場する鬼神(夜叉)を思わせることに由来する。体各部の特徴がオニカマスに酷似しており、これまで混同されていた可能性が高い。
オニカマスはシガテラ毒を保有する恐れのある魚類として知られているが、本種の毒性は不明。ただし、シガテラ毒が多く報告されている南太平洋にも分布していることが示唆されているため、地域や個体によっては毒性を有する可能性がある。今後の毒性の解析が求められる。 |