ハリセンボン

Diodon holocanthus Linnaeus, 1758

形態・特徴 ハリセンボン属の棘は可動性。ハリセンボンの名の由来はこの棘から来ているが、300~400本台といわれている。危険が迫ると体を膨らませて飲み込まれないようにするが、大型魚の胃の中からも見つかっている。全ての鰭に黒色斑はないが、体側に大きな暗色斑をもつ。
分布 津軽海峡以南の日本海沿岸、相模湾以南の太平洋岸。世界中の熱帯、温帯域。
生息環境 沿岸岩礁域、サンゴ礁域などに生息する。また、南日本の太平洋岸や沖縄では船溜まりのような場所でもよく見られ、汽水域にも出現する。幼魚は日本海などで集団で現れ、冬に打ち上げられることが有る。
食性 肉食性。甲殻類や軟体動物を捕食し、大型の個体は小魚も捕食する。
地方名 ハリフグ(青森県、福島県いわき市、茨城県北茨城市・大洗町、三重県南伊勢町、京都府丹後、和歌山県、広島県、山口県)、サンズンフグ・マツカサ・マツカシラ(青森県鰺ヶ沢町)、バラフグ(宮城県気仙沼市、静岡県伊豆)、ハリブグ・ハリボゴ・ハゴフグ・ハリ(山形県)、シノフグ・トゲ・トラフグ・バリフグ(静岡県伊豆)、スズメフグ(京都府丹後)、イガフグ(山口県)、バラブク(高知県足摺岬)、イゲチンフグ(長崎県壱岐島)、アバス(鹿児島県奄美大島)、アバサ(鹿児島県徳之島)、アバサー(鹿児島県喜界島、沖縄県本島・宮古島)
参考:https://gyomei.zukan.com/?p=1577393714
その他 本種を含むハリセンボン科魚類は無毒とされており、琉球列島では食用となる。「アバサー汁」とよばれる汁物はよく知られる。ハリセンボン属は世界で5種が知られ、そのうちの4種が日本に産する。
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