形態・特徴 | ハゲブダイ属としては珍しく頬部の鱗は3列。吻の背縁が急で、老成するとやや突き出し、こぶ状となる。上顎歯板は唇に殆どおおわれていない。尾鰭は湾入し、大型個体では上・下後端が伸長する。幼魚には黒色と淡色の縦帯がある。アオブダイによく似ているが本種は背鰭前方鱗数が3-4と少ない(アオブダイでは普通6)であることにより区別できる。体長70cmにもなり、ハゲブダイ属では大型になる。 |
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分布 | 高知県、小笠原、琉球列島。~インド・中部太平洋(ハワイ諸島をのぞく)。珊瑚礁にすむ。 |
生息環境 | 珊瑚礁域や岩礁域に生息する普通種。幼魚は珊瑚礁域の潮だまりでも見られる。また黒潮に乗り、高知県付近まで北上する。
夜間は岩やサンゴの隙間に粘液繭をつくり、その中で眠る。 |
食性 | 主に死サンゴに付着した藻類を削り取るようにして捕食する。 |
地方名 | テングハチ・アオバチ・コブバチ・コブダイ(鹿児島県屋久島)、グンカンモハメ(鹿児島県口永良部島)、エラブチ(鹿児島県瀬戸内町)、イラブチー(鹿児島県喜界島)、ゲンノーイラブチャー・ゲンナーイラブチャー(沖縄県)、ゲンノウイラプチャー(沖縄県本島)、アウハツー(沖縄県宮古島市)、ゲンナーイラフチイ(沖縄県宮古島市狩俣)、オーイラッフゥチイ(沖縄県宮古島市久貝)、ゲンナー・オーバチャー(沖縄県八重山) |
その他 | 沖縄では食用魚として知られるが、熱帯域では食中毒の事例も知られている。内臓は食べないほうがよい。本種は永らくインド・太平洋にすむものと言われたが、本種は太平洋(ハワイ諸島を除く)の固有種で、インド洋と紅海のものはそれぞれ別種であることが知られている。 |
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