形態・特徴 | 白地に黒色の石垣模様が入る特徴的な体色をしている。老成魚では石垣模様が不明瞭になり、一様に燻し銀のような色合いとなって口の周辺は白くなる。両顎の歯は癒合しており、ウニや貝殻などを噛み砕いて食べられるほどに強力である。背鰭は12棘15~16軟条であり、イシダイ(11~12棘17~18軟条)とこの点でも見分けることができる。 |
---|---|
分布 | 本州中部以南。南シナ海、グアム、ハワイ諸島。ハワイ諸島からも記録があるが、無効分散とされる。 |
生息環境 | イシダイよりもやや南方系であるが、基本的にはイシダイと同じく沿岸域の岩礁帯に生息する。稚魚は流れ藻について表層を漂い、全長3~4cmくらいに達すると底生生活へ移行するのもイシダイと同様。 |
食性 | 甲殻類、棘皮動物、軟体動物、多毛類などを捕食する動物食性。釣り餌ではウニやイセエビ、トコブシなどの高級食材を使うことも多く、大人の釣りというイメージが定着している。 |
地方名 | イシガキデ・クロタガバ・シマダイ(山形県)、イシダイ(福島県、茨城県、鹿児島県徳之島)、キンパチ(福島県いわき市)、コモンダイ(茨城県北茨城市)、ホシッコ・コモン・ナベ・マチ(静岡県伊豆下田)、イシガキ(静岡県伊豆下田、三重県南伊勢町、和歌山県、鹿児島県口永良部島)、ワサラビ・ワサ(東京都伊豆七島、静岡県伊豆)、コチダイ(石川県金沢市)、コツダイ(石川県輪島市)、トウモリ(三重県)、モンバス(大阪府泉南)、コモンバス(和歌山県由良町、兵庫県明石市)、モンハス・モンワサ(和歌山県)、ガキ(幼魚、和歌山県)、マメイタ(兵庫県淡路島)、チシャ(山口県下関市・山口市)、エノミコウロウ・モンコウロウ(高知県)、ガキンチョ(幼魚、高知県)、ゴマヒサ(長崎県、鹿児島県阿久根市)、ゴマフサ(長崎島原半島、熊本県)、ヒサ(鹿児島県種子島)、ヒサノイオ(鹿児島県種子島・屋久島)、シサノイオ(鹿児島県屋久島)、ガラサーミーバイ(沖縄県本島・石垣島)、ガラシミーバイ(沖縄県本島・久米島・石垣島)、ガラサー(沖縄県与那国島)、ババ(沖縄県宮古島市池間島)、シイバダリババ(沖縄県宮古島市伊良部)、老成魚として各地でクチジロ。
※伊豆や伊豆七島方面では、オスがクチジロ、メスがホンワサと性差がある。 |
その他 | 産卵期は4~7月で多くは3歳で成熟する。成熟した個体は春先から群れで南下して南日本で産卵を行うことが知られている。石垣模様の消えた老成魚は生殖に参加しない。また、イシガキダイはイシダイよりも成長が速い。
いわゆる高級魚で、寿司屋や割烹料理屋にある水槽には欠かせない水産上重要種であり、養殖も盛んに行われている。ただしシガテラ毒をもつことがあるので注意。 |
食味レビュー |
食味レビューを見る 食味レビューを投稿する |