キチヌ

Acanthopagrus latus (Houttuyn, 1782)

形態・特徴 体色はクロダイと比較し白っぽい。側線より上の背鰭棘条部中央下の横列鱗数は3.5枚と少なく、体高も高いのでクロダイよりも扁平な印象を受ける。また、腹鰭と臀鰭、および尾鰭下葉の下部が黄色いことは名前の由来でもあり、大きな特徴の一つといえる。
分布 千葉県・兵庫県~九州沿岸。台湾、東南アジア、オーストラリア、インド洋、紅海、アフリカ東岸。
生息環境 沿岸浅海域の岩礁周辺、特にやや塩分の低い汽水域で多く見られる傾向があるようだ。
食性 甲殻類、多毛類、軟体動物、海藻、小魚など幅広い食性を示す雑食性。
見分け方 よく似ているクロダイとのもっとも確実な見分け方は、背鰭のつけ根から側線までの鱗の数を数えることである。キチヌは3.5枚で、クロダイは5.5枚以上の鱗が並んでいる。
数える場所は『背鰭棘条部中央下』(はいききょくじょうぶちゅうおうした)なのだが、これがわかりにくい。簡単にいうと「背鰭の前の方の硬いトゲが並んでいる、その真ん中あたり」ということで、この写真でいうと前から6本目のトゲが目安になる。
ほかに、日本国内にいるクロダイ属の魚たちも、この『背鰭棘条部中央下』の鱗の数が見分けるポイントになり、ミナミクロダイとオキナワチヌは4.5枚と、クロダイ、キチヌのちょうど真ん中になる。ただし、オキナワチヌは個体数が少ない。西表島にはナンヨウチヌがいて、これはキチヌと同じ3.5枚だが、体高が非常に高いのが特徴。
その他 クロダイと共に釣りでの人気が高い。身はクロダイほど磯臭さがないと言われることが多く、クロダイよりも珍重されることもある。また、クロダイ同様に雌雄同体の両性魚であり、性転換を行うことが知られている。体長10cmほどから性成熟し、大抵は1年目には雄として機能し、次の年には雌となして機能するようになるという、その様式も同じだが、本種はクロダイの春に対して秋に産卵する。生態情報はクロダイよりも不明な点が多く、また世界に広く分布するとされているが、分類学も進んでいないため、複数の種を含むのではないかという疑義が投げかけられている。
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