特徴 | 全長15cmほど。項部(背鰭起部前方の後頭部)に暗色班がある。この特徴で同属他種と区別できる。また、各鰭の黄色域はとても鮮やかで、体側前半部は無鱗である。 |
---|---|
分布 | 琉球列島をのぞく南日本。台湾、中国沿岸。沿岸浅所~河川汽水域に生息する。 |
生息環境 | 沿岸浅所の砂泥質の場所に多く生息する。防波堤の内側にも多い。 |
食性 | 小型の底生生物を食べる。 |
地方名 | ギチ(東京都、京都府京丹後市)、ギラ(千葉県、三重県尾鷲市、和歌山県紀伊田辺市)、ギンダイ(富山県、石川県能登)、ギンタ(石川県能登、関西)、ギンタナゴ(石川県能登)、ボンチャ(福井県小浜市)、ネコマタギ(静岡県、愛知県東三河、京都府宮津市、兵庫県神戸市)、ジンダ・ジンダベラ・ネコゴロシ(静岡県)、ジンナゴ(小さいもの、静岡県)、エノハ(静岡県伊豆、鳥取県、島根県)、カキノタネ(静岡県伊豆)、ジンタ(静岡県沼津市、徳島県)、ギンダベラ(静岡県静岡市)、ネコマタ・ネコナカセ(静岡県浜松市)、ゼンメ(愛知県、三重県津市、関西、福岡県北九州市)、ゼンキュウ(愛知県渥美半島)、ゼメ(三重県)、キンパク(三重県志摩)、シイノハ(京都府丹後、兵庫県)、ニイラギ(京都府、愛媛県)、シナハ・シノハ(京都府丹後)、イタイタ(京都府宮津市)、ネラギ(大阪府)、ギーナギ(和歌山県)、ダイチョオ(兵庫県)、ダイチョウ(兵庫県西播、大分県南部)、ネコクワズ(兵庫県淡路島、徳島県)、ギギ(岡山県、広島県東部)、ケッケ・ゲッケ(岡山県)、ギンギン・ギンガー(広島県)、ギンギラ・コギン(広島県広島市)、ヘイタロウ・カガミトリ・ジンガメ・ギンタン(山口県)、ニロギ(高知県)、エバ(高知県大月町、鹿児島県垂水市)、ギンギラ(愛媛県新居浜市)、グーグー(愛媛県宇和島市、大分県北部)、トンマ・トンバ(福岡県)、ガガ(福岡県北九州市)、チョンゴロ(佐賀県伊万里市)、チョンギ(長崎県対馬市)、チビラ(大分県中津市・豊後高田市)、シイバ・シイノフタ(熊本県)、ハナタレ(熊本県天草)、ハナタレエバ・ボボクジリ・ヒラゲ(宮崎県)、ユダヤガーラ(沖縄県)
参考:https://gyomei.zukan.com/?p=1577393210 |
食味・料理 | シロギス釣りのついでに釣れることがしばしばあるが、味の評価は高い。一方、釣り上げると大量の粘液を出すことや、背鰭棘や臀鰭棘は意外と強力で、魚体を握ろうとするとちくちくするので、敬遠して食べたことのない釣り人も多そうだ。一般には体表のぬめりを落として素揚げや煮付けにする。どちらもおいしい。
高知の伝統料理であるニロギ汁は、ぬめりをなるべく落とさないないように持ち帰って、ぬめりごと料理する。沸騰直前くらいの鍋に、内臓をとったヒイラギを入れ、薄口醤油で味つけ。具は豆腐、ネギ、三つ葉などだが、なくてもよいという。海も川も、あれだけ魚の豊かな高知の人が、古くから大切に食べてきた魚。秋になると浦戸湾に小舟を出して釣るニロギ釣りは、地元の風物詩になっている。 |
食味レビュー |
★★★★☆
4.0
25件の評価
★★★★★
篠島南風・2012/01/25
小さいのが難ですが、煮魚としては最高の部類です。やや甘辛く濃いめの煮付けがよいでしょう。独特の味は最高の状態のアジやサバもかないません。
★★★★☆
ハイパ・2009/10/18
伊勢湾から外海へ下がって行く直前にたっぷり栄養を付け脂が乗り切ったマダイの刺身はまさに「霜降り」です。一年中魚を食べていても驚きの味です。
6キロクラスの大マダイを活き〆にして8時間ほど寝かせた刺身は最高の海の恵みです。
|