アオブダイ

Scarus ovifrons Temminck and Schlegel, 1846

形態・特徴 体色は濃青色で、雄では各鰭が橙色になる。頭部は角ばり、老成すると頭部に大きなこぶ状突起ができる。これは雌雄ともに発達するためこの形質で雌雄を区別することはできない。体長80cmに達する大型種。
分布 伊豆諸島、東京湾~吐噶喇列島までの太平洋岸、九州北岸。~台湾、韓国釜山、済州島、中国。
生息環境 岩礁域にすむ。アオブダイ属としては珍しく、温帯域にも成魚が普通に見られる。
食性 藻類のほか甲殻類などを捕食する雑食性。
標準和名 学者のつけた名であるが、伊豆あたりでもそう呼ぶらしい。『さかな異名抄』
地方名 モブシ・アオモブシ・アオモブ・カラスモブシ・オウム・デブ・ヌマ(静岡県伊豆)、アオ・アオイガミ・イガミノオバ(和歌山県)、コブ(老成魚、和歌山県)、バンド(高知県)、、ハチ・ハッチイ(長崎県五島、鹿児島県)、ハト・ハッチ(長崎県五島)、モハミ(鹿児島県)、アオバッチ(鹿児島県甑島)
毒性 従来、肝臓に毒があるとされてきたが、筋肉にも毒を含むことがあるようだ。そのため、厚労省の通達により販売自粛が要請されている。毒はパリトキシン様毒とされ、はっきりとは解明されていないが、死亡例も複数あり、無理に食べる魚ではなくなったといえそうだ。
その他 体色の青いブダイを「あおぶだい」と総称することがあり、混同しないよう注意が必要。特に沖縄で呼ぶ「いらぶちゃー」はナンヨウブダイなど別種を指すと思われる。
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