シシャモ

Spirinchus lanceolatus (Hikita, 1913)

形態・特徴 チカやワカサギといった近い仲間とは臀鰭の外縁が丸いことで区別できる。また、よく似たカラフトシシャモとは、本種の側線は不完全で背鰭起部辺りまでしか開孔していないことや、胸鰭が10~12軟条と少ないこと(カラフトシシャモは17~20軟条で多い)、体高が高いことなどで区別することができる。
分布 北海道の太平洋岸にのみ分布する日本固有種。
生態・生息環境 秋季に海から河川へ溯上して、河口から1~10km程度のところで産卵する。孵化した仔魚は、海へ降下して水深20~30mの沿岸域で成長する。
食性 動物プランクトンを主食とする。
その他 干物が有名な本種であるが、現在日本で流通しているシシャモの干物のほとんどが、カラフトシシャモ(流通名ではカペリンやキャペリンとも呼ばれる)である。本種は、カラフトシシャモよりも脂がのっており美味とされる一方で、世界でも北海道の太平洋岸でしか見られない局所的な分布を持つ種であり、乱獲が起こると資源に大きなダメージを与えてしまうことになる。実際に、日高以西の個体群は絶滅の恐れが高いとして、北海道のレッドリストに掲載されている。
足が速い(腐りやすい)ので、干物や甘露煮や天ぷらで食べるのが一般的であるが、産地付近では寿司や刺身が名物となっている。また、干物は卵を持った雌が重宝される傾向にあるが、産地付近では雄の方が旨味があって重宝されるケースも多い。
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