形態・特徴 | 本種はカワハギ科の中で腰骨に鞘状鱗があるグループで、これを動かすことができる。体はやや平たく、ウマヅラハギに比べて体高がある。背鰭棘は眼後端の上方にある。体色は若干の変異があるが、普通は褐色で、暗色縦帯が体側にある。雄の成魚では背鰭の前部軟条が糸状に伸びるが、雌では伸びない。雌雄ともに尾鰭後端が糸状に伸びることはない。体長25cmに達する。 |
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分布 | 青森県~九州までの日本各地沿岸、東シナ海。~台湾、朝鮮半島、済州島、鬱陵島、中国沿岸、香港、フィリピン。 |
生息環境 | 水深100m以浅に多いが、時として200mの場所からも採集される。砂底、貝殻底、岩礁域に多く生息する。幼魚は流れ藻や浮遊物につく。 |
食性 | 主に小型甲殻類やゴカイ類、貝類などを捕食する。口が小さく、ついばんだり、吸い込むようにして捕食する。 |
地方名 | チョイチョイ・テッテ・チュッチュ・チェッチェ・バクチ・バグジ・ギハダ(青森県)、バグツ(青森県鰺ヶ沢町)、ギハギ(宮城県、静岡県、愛知県、三重県)、ウシヅラ・ウシ・ウマヅラ(山形県)、ギンパ(茨城県大洗町、静岡県)、ゲバチ(千葉県)、ギンパイ(東京都伊豆諸島御蔵島)、ゲバチロ(神奈川県城ヶ島)、ケンケラ(石川県金沢市)、バクチコキ・バク・コンモリ(石川県能登)、ハギ(石川県珠洲市、京都府丹後、熊本県水俣市)、カワ(石川県珠洲市)、オトコ・バクダイ(石川県能登町)、カワムキ(石川県七尾市、静岡県伊豆)、カクバク(石川県七尾市)、アワモチ・アワモチギンパ・アワモチバゲ・ギンパー・ギイパ・ギィッパ・オフミ・コオハン・メンコ(静岡県伊豆)、マルギマ(愛知県西三河)、ハゲ(三重県南伊勢町・尾鷲市、大阪府、和歌山県和歌山市、兵庫県神戸市・明石市・但馬、広島県、高知県、愛媛県東予、大分県)、チュッチュハゲ(三重県熊野市)、チュウコウ(京都府丹後、兵庫県但馬)、マルハギ(京都府丹後、岡山県)、イトマキ・イトマキコングリ・コグリ・コングリ・サンカク・チュウガメ・マル・マルコグリ・マルコングリ・マルリ・メチョ・モマジュコウ(京都府丹後)、マルハゲ(大阪府、和歌山県、兵庫県神戸市・明石市、岡山県、山口県上関町、徳島県鳴門市、高知県、愛媛県東予、大分県)、コウベ(大阪府泉南)、カクハゲ(兵庫県但馬、島根県)、ヨコネ・チュウカァ(兵庫県但馬)、ツノギ(岡山県)、カクメンポー・メイボ(島根県、山口県)、デンボ(島根半島)、カクメンボ・メンボウ(山口県)、モチメイボ(山口県中東部)、メンボ・アンボウ(山口県下関市)、モチハゲ(山口県牛島・平生町)、バクチウチ(香川県坂出市)、ムキ(福岡県糸島市、長崎県壱岐島・長崎市)、カクロッポウ・ゴウベ・コウムキ(長崎県対馬市)、コウモク(長崎県壱岐島)、ゴベ(長崎県長崎市・五島)、コムギ(長崎県南島原市)、ロッポウ(長崎県対馬市・五島)、コベ(熊本県天草)、キンツ(宮崎県)、コンタ・ホンカワ(鹿児島県屋久島)、カーハジャー(沖縄県)
参考:https://gyomei.zukan.com/?p=1577393286 |
その他 | 産卵期は初夏から夏で、沈性粘着卵を産む。定置網や小型底曳網、釣り、刺網などで漁獲される。肉は白身で刺身、塩焼き、唐揚げ、冬は鍋物などで美味。肝臓も食用として利用されている。本種は口が小さく、釣るのが難しいとされ、釣り人にも人気がある。日本産カワハギ属は本種1種のみからなる。 |
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