特徴 | 成熟サイズは全長2mほど、最大で約4mに達する。100cm前後で出産される。本種は、吻部が扁平な円錐状であること、第一背鰭が胸鰭よりも腹鰭に近いこと、比較的眼が小さいこと、2基の背鰭と臀鰭はほぼ同じ大きさであることから近似のオオワニザメと区別することができる。体色は基本的に明るい茶で、腹面は白く、体側には暗色斑点が散在する。 |
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分布 | インド・太平洋、大西洋、地中海の温~熱帯域に広く分布するが、中部および東太平洋からは知られていない。 |
生息環境 | 沿岸の波打ち際から水深約200mにまで出現するが、主な生息水深は15~25m。海中洞窟や岩礁にできた溝の中など、底近くにいることが多いが、稀に中層や表層にも現れることがある。 |
食性 | 様々な魚類や無脊椎動物を捕食する。 |
その他 | 卵胎生で、胎児は自分より小さい胎児や未受精卵を食べて9~12カ月の妊娠期間の間、母親の胎内で成長を続ける。1対の子宮のそれぞれから1尾、計2尾の胎児が出産される。ある調査中の研究者が胎児に咬まれたという記録がある。泳ぎは緩慢だが、強い遊泳力をもち、夜行性である。捕食や配偶、出産のために20~80尾からなる群れをつくるとされる。高い回遊性をもつものもおり、夏季にはより水温の低い環境へ移動する。多くのサメは遊泳する水深を保つのに、尾鰭の推進力と胸鰭の操縦作用を駆使して泳ぎ続けたり、肝臓に含まれる肝油で浮力を得たりすることでこの問題を解決しているが、シロワニは水面で空気を飲み込んで胃を膨らませ、中層浮力を得ることが知られている。IUCNのレッドリストでは、危機的な状態である(vulnerable)とされており、多くの個体群が激減している。オーストラリアのニューサウスウェールズでは、スポーツフィッシングや水産業で大量に捕獲され、深刻な危機的状態にある。飼育がしやすく、多くの水族館でみることができ、南アフリカやオーストラリアではダイビングエコツーリズムに重要な存在である。基本的にはその風貌に似合わずおとなしいが、近づきすぎると咬まれることがある。
かつてはオオワニザメ科に属していたが、2020年オオワニザメのミトコンドリアゲノムが解析され、他種との類縁関係が明らかになった結果、シロワニはオオワニザメとは系統的に離れていることが判明した(アオザメ属魚類の方がオオワニザメにより近縁)。現在ではシロワニのみで構成されるシロワニ科が独立した科として扱われることが多い。 |
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